顔面神経麻痺で目が閉じないときは?角膜を守るために大切なこと
顔面神経麻痺を発症してから、
「まぶたが閉じられない」
「目を閉じようとしても、少し隙間が開いてしまう」
「朝起きると目が乾いている」
「目がゴロゴロして違和感がある」
このような症状に悩んでいませんか?
顔面神経麻痺では、顔の筋肉が動かしにくくなるだけでなく、まぶたを閉じる働きにも影響が出ることがあります。
実は、目が閉じにくい状態で特に注意したいのが、角膜(黒目の表面)の乾燥や傷です。
今回は、顔面神経麻痺で目が閉じなくなる理由と、目を守るために大切なことについて、わかりやすく解説します。
なぜ顔面神経麻痺で目が閉じなくなるの?
顔面神経は、額や目の周囲、口元などの表情筋を動かす神経です。
まぶたを閉じる働きを担っているのも、顔面神経に支配される眼輪筋(がんりんきん)という筋肉です。
眼輪筋が収縮すると、上下のまぶたが閉じます。
ところが、顔面神経麻痺によって眼輪筋が十分に働かなくなると、目を閉じる力が弱くなり、完全に閉じられなくなることがあります。
この状態を、兎眼(とがん)と呼びます。
目を閉じようとしても隙間が残る場合だけでなく、まぶたを閉じる動きそのものが弱くなっている場合もあります。
目が閉じないと、なぜ危険なの?
私たちの目の表面は、涙によって潤いが保たれています。
まばたきには、涙を眼の表面に行き渡らせ、感想や異物から角膜を守る役割があります。
しかし、顔面神経麻痺でまぶたが十分に閉じられないと、睡眠中も目が開いたままになることがあります。
すると、次のような問題が起こる可能性があります。
・目の乾燥
・ゴロゴロとした異物感
・充血や痛み
・角膜の表面に傷がつく
・重症の場合、角膜潰瘍や視力への影響
特に注意したいのは、初めは軽い乾燥や違和感だけでも、角膜の障害が進行することがあるという点です。
目の痛みが強くないからといって、安全とは限りません。
目を守るために何をすればいい?
顔面神経麻痺で目が閉じにくい場合は、角膜を保護することが大切です。
具体的な方法は、目の閉じにくさや角膜の状態によって異なります。
①眼科で目の状態を確認する
目が完全に閉じられない場合は、早めに眼科で相談しましょう。
角膜に傷がないか、涙による保護が充分かなどを確認してもらうことが重要です。
特に、目の痛み、充血、眩しさ、見え方の変化がある場合は、速やかに眼科を受診してください。
②点眼薬や眼軟膏を使用する
医師の指示により、人工涙液などの点眼薬や眼軟膏を使用して、目の乾燥を防ぐことがあります。
夜間は、就寝中に目が乾燥しないよう、眼軟膏などによる保護が必要になる場合もあります。
使用する薬剤や回数は、目の状態に応じて医師に確認してください。
③就寝中の目の保護を行う
寝ている間は、自分でまばたきをして目を潤すことができません。
そのため、就寝中にまぶたが開いてしまう方は、特に注意が必要です。
医師や眼科医の指導の下で、まぶたを適切に閉じて保護する方法や、保湿用の眼帯などを検討することがあります。
テープなどを使用する場合は、角膜を傷つけないよう、正しい方法を確認してから行いましょう。
目が閉じにくい時に注意したいこと
目を守るためには、日常生活でもいくつかの点に注意しましょう。
・目の感想や違和感を放置しない
・目を強くこすらない
・風が直接目にあたる環境を避ける
・自己判断で点眼薬を選ばず、医師に相談する
・目の状態に変化があれば、早めに受診する
また、顔面神経麻痺の回復には個人差があります。
顔の動きが少しずつ改善していても、まぶたを閉じる機能が十分に回復しているとは限りません。
顔の動きだけでなく、目が安全に保護されているかどうかも確認することが大切です。
鍼灸で目が閉じるようになる?
顔面神経麻痺に対して鍼灸を検討される方もいらっしゃると思います。
ただし、目が閉じにくい場合に最優先すべきなのは、角膜を守るための適切なケアです。
鍼灸によって目が確実に閉じるようになる、あるいは角膜の障害を防げると断言することできません。
まずは医療機関で診断と治療を受け、必要に応じて眼科で目の保護について相談しましょう。
そのうえで、鍼灸を希望される場合は、主治医による治療を継続しながら、状態に応じて検討することが大切です。
よくある質問
Q.痛みがなければ、目に問題はありませんか?
痛みがなくても、角膜に障害が起きている可能性はあります。痛みの有無だけで判断せず、目が閉じにくい状態があれば相談してください。
Q.寝ている間だけ目が開いてしまいます。大丈夫ですか?
睡眠中に目が開いたままになると、角膜が乾燥することがあります。就寝中の保護方法について、眼科や主治医に相談しましょう。
Q.顔面神経麻痺が治れば、目も自然に閉じるようになりますか?
顔面神経の回復に伴い、まぶたを閉じる機能が改善することはあります。ただし、回復の程度や期間には個人差があるため、必ず元通りになるとは限りません。回復を待つ間も、目の保護を続けることが大切です。
まとめ
顔面神経麻痺によって眼が閉じにくくなると、角膜が乾燥したり、傷ついたりする危険性があります。
目を守るために大切なのは、次の3つです。
・目が閉じにくい場合は、早めに眼科で相談する
・医師の指示に従い、点眼薬や就寝中の保護などを行う
・痛みや充血、見え方の変化があれば、速やかに受診する
顔面神経麻痺では、顔の動きを回復させることだけでなく、回復を待つ間に目を守ることも非常に重要です。
目の状態を確認しながら、主治医と相談して適切なケアを続けていきましょう。



